Dermatophytosis

犬・猫の皮膚糸状菌症とは

皮膚科認定医が、原因・症状・診断・治療のポイントをわかりやすく解説します。

日本獣医皮膚科学会(JCVDS)認定医 監修

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Overview

皮膚糸状菌症とは

皮膚糸状菌症は、カビの一種である皮膚糸状菌(Microsporum canis など)が皮膚や被毛に感染して起こる疾患です。子犬・子猫や高齢動物、免疫力が低下した個体で発症しやすく、人にもうつる人獣共通感染症です。

Cause

原因

感染動物との接触や、ブラシ・寝具などを介した間接的な接触で感染します。多頭飼育環境やシェルター、猫では特に感染が広がりやすい傾向があります。

Symptoms

症状

分厚いフケを伴う脱毛病変が典型的ですが、非典型的な症状のみのこともあります。かゆみは軽度〜なしのことも多く、見た目だけでは他の皮膚病と区別しにくい場合があります。

長毛種の猫にみられた皮膚糸状菌症の脱毛病変(治療前)
治療前
治療により毛が生えそろった同じ猫(治療後)
治療後

当院で治療した長毛種の猫の症例。他院での治療期間が短く完治していなかったが、数か月かけて完治した

Diagnosis

診断

ウッド灯検査は補助的な検査で、菌の種類によっては光りません。抜いた毛を顕微鏡で直接観察し、毛の周りに胞子が付着していないかを確認する方法もあわせて行われます。確定診断には真菌培養検査やPCR検査を行います。

毛の直接鏡検で確認されたMicrosporum canisの胞子(毛の周囲を覆うように付着している)

毛の直接鏡検像。毛の周囲を覆うように付着しているのがMicrosporum canisの胞子です

Treatment

治療

外用(クロルヘキシジン・ミコナゾール配合シャンプー、ライムサルファなど)と内服抗真菌薬(イトラコナゾール、テルビナフィンなど)を組み合わせて治療します。胞子は環境中で長期間生存するため、寝具やブラシの洗浄・こまめな掃除機がけなど環境対策も治療の重要な一部です。特に長毛種は毛に胞子が付着しやすく、治療期間が数か月に及ぶこともあります。自己判断で治療を中断せず、検査で陰性が確認できるまで続けることが大切です。

FAQ

よくあるご質問

人にうつりますか?

はい、人獣共通感染症のため、飼い主さんにうつる可能性があります。皮膚に赤い輪状の発疹が出た場合は皮膚科受診をおすすめします。

どのくらいで治りますか?

個体差がありますが、数週間から数か月かかることもあります。培養検査などで陰性を確認してから治療終了とします。

完全に予防できますか?

感染動物との接触を避けることが基本ですが、多頭飼育や外猫との接触がある場合は完全に防ぐのが難しいこともあります。

監修:山本 真紀子(日本獣医皮膚科学会認定医)

参考文献:Moriello KA, Coyner K, Paterson S, Mignon B. Diagnosis and treatment of dermatophytosis in dogs and cats: Clinical Consensus Guidelines of the World Association for Veterinary Dermatology. Veterinary Dermatology. 2017;28(3):266–e68.

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