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動物病院の一般診療ってどんなことをするの?

  • 執筆者の写真: 柳 赤池
    柳 赤池
  • 15 時間前
  • 読了時間: 4分

素朴な疑問、「一般診療」って何か?についてお話ししてみます。

ずばり専門医や認定医による特別枠ではなく、その他すべての診療を「一般診療」と呼んでいます。つまりは全科診療です。人で言う総合診療科のイメージですね。


一般診療に始まり一般診療に終わる。この適切性で病気の発見、どこまで検査が必要か、二次診療施設への紹介が必要かなどを各種検査も提案・実施しながら見極めていくわけです。


「一般」って、一般的とか普通とか軽い響きがあるかもしれませんが、実は最も重要かつ、獣医師の経験と腕の見せ所ともいえましょう。


一般診療ってどんなことをするのですか?


では、ある日の診療風景を覗いてみましょう。


獣医師:こんにちは。獣医師の○○と申します。今日はどうされましたか?

飼い主さん:ペコ(犬の名前)なんですけど、今朝からなんだか元気もないみたいで。

獣医師:ペコちゃん、11歳、トイ・プードル、男の子ですね。体重から見てみましょうか。


診察台は体重計になっています。体重の変化は体の状態を知る大切な手がかりのひとつ。特に高齢の子では、じわじわと体重が落ちていることに飼い主さんが気づかないこともあります。


続いて問診です。

獣医師:食欲はどうですか?お水は普段よりたくさん飲んでいますか?おしっこの量や色は?うんちは出ていますか?吐き気はないですか?食欲はどうですか?


こうした質問は、雑談ではありません。たとえば「水をよく飲む・おしっこが多い」は腎臓病や糖尿病のサイン、「急に食欲がなくなった」は消化器や内臓の異常を疑うきっかけになります。飼い主さんが日頃から気にして見ていることが、診断の大きなヒントになるのです。


体温測定も行います。発熱があれば感染や炎症が疑われますし、逆に低体温はショック状態のサインになることもあります。


身体検査:目で見て、触れて、確かめる


獣医師:元気ないですか。ちょっと下を歩かせてみましょうか。

まず床を歩かせて、歩き方や周りへの注意の向け方を観察します。院内では緊張して動物も頑張ってしまうので、軽度の歩行異常が分かりにくいこともあります。でも逆に、飼い主さんが気づかないちょっとした動きに気づくこともあります。


「びっこを引いている」場合は、歩き方を見ながら、四本足のうちどの足が痛そうか、肩なのか足先なのか、腰なのかなど、おおよその見当をつけています。


獣医師:ではまた上にあげてください。

診察台に乗せたら、身体検査です。なでながら緊張をほぐしつつ、頭のてっぺんから順番に全身を確認していきます。


  • :瞳孔の大きさと左右対称性、充血はないか、瞼の裏の色合い

  • :適度な濡れ具合かどうか

  • 口の中:口腔粘膜の色で血色を確認。食欲低下の原因が歯や歯茎の異常ということも少なくありません

  • リンパ節:腫れていないか

  • 体表面:多頭飼育や外飼いの猫ちゃんでは、小さな傷の化膿が元気食欲低下や発熱の原因になっていることがあります。気になる腫れがないかも確認します

  • お腹の触診:強く緊張するような痛みがないか、しこりはないか。猫ちゃんの場合は脾臓、腎臓の大きさまで触診で分かります。(ただし肥満猫以外)

  • 後ろ足の付け根の脈:脈の強さからおおよその血圧を推測することができます


今回のペコちゃんのように「なんとなく元気がない」というケースや、歩様に気になるところがある場合は、整形学的な検査も加えます。首の可動性や痛み、両肩関節、四肢の神経反応、後ろ足の各関節の可動域や腫れ、そして背骨を上から順番に軽く押して、痛みを訴える場所がないかを確認していきます。


ペコちゃん:キュン


胸と腰の間あたりを軽く押したとき、小さな声が聞こえました。たまたま嫌がっただけかもしれないので、他の場所もチェックしてからもう一度。


ペコちゃん:キュン


同じ場所でまた同じように痛がります。これを「再現性がある」と言い、偶然ではなく本当にそこが痛いサインです。


獣医師:どうやら腰が痛くて元気がないようですよ。レントゲン撮ってみますか?

検査に進むかどうかは、飼い主さんの意向も聞きながら決めていきます。


「なんとなく元気がない」も、立派な受診理由です


今回のペコちゃんのエピソード、最初の訴えは「なんとなく元気がない」だけでした。でも問診と身体検査を丁寧に積み重ねることで、「腰が痛い」という原因にたどり着くことができました。


一般診療とは、こうして一つひとつ可能性を確かめながら、その子に何が起きているのかを探っていく仕事です。「大したことないかも」と思っていても、気になることがあればお気軽にご相談ください。


アン・ベット・クリニック 横浜市神奈川区三ツ沢中町5-1 TEL:045-316-8686

診療のご予約・お問い合わせはお電話にて。


この記事を書いた人:獣医師:山本真紀子

 
 
 

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