タイトル:梅雨〜夏に急増する皮膚病、膿皮症ってなに?
- 柳 赤池

- 3 日前
- 読了時間: 3分
暑くなってきましたね。かと思うと雨が続いて涼しくなって、毎日
今日の気温は?
何を着ようかしら?
雨は降るかしら?
なんて思いますよね。
犬達もこの季節冬毛を脱ぎ捨てて夏の準備を進めています。
換毛期。抜けかけた毛は体にとってはもう異物でしかありません。換毛期というだけでも痒みを誘発しやすいものです。

湿気がこもると皮膚の角質が少しふやけてバリア機能も衰えます。暑くなって細菌は繁殖しやすくなります。
そうしてこの季節は"膿皮症"が多くなります。
膿皮症とは
皮膚の常在菌であるブドウ球菌が過剰に増殖して、弱くなった角質から皮内に侵入し、炎症を起こす皮膚病です。
症状
円形脱毛、膿疱、丘疹などの発疹が現れて痒くなるのが特徴です。
診断:よく似た皮膚病との鑑別
疥癬(ヒゼンダニ症)や皮膚糸状菌症、ニキビダニ症などでも似たような発疹が出る可能性がありますので、皮膚検査を行って診断します。
治療
最近では抗生物質の適正使用の観点から、なるべく消毒やシャンプー、塗り薬などの外用療法で治すことを目指します。重症のケースでは抗生剤を使用することもあります。
多くは背景になる疾患(アレルギーや内分泌疾患など)があるので、繰り返す場合は原因を探せるようにお手伝いします。

FAQ
Q: うつりますか?
A: 基本的にはうつりません。膿皮症の原因菌(ブドウ球菌)は健康な犬の皮膚にも普通に存在している常在菌です。皮膚のバリア機能が低下したときに増えすぎて炎症を起こすので、「外から菌をもらった」わけではないんです。ただし、疥癬(ヒゼンダニ)など似た症状が出る別の皮膚病の場合はうつることがあるので、受診して鑑別することが大切です。
Q: どこで細菌を拾ったのでしょうか?
A: どこかで拾ってきたわけではなく、もともと皮膚にいる菌が原因です。湿気・暑さ・換毛期など皮膚の防御が弱まるタイミングで、いつも共存していた菌が悪さをし始めます。「外でうつった」と心配しなくて大丈夫です。
Q: 家が汚いのでしょうか?
A: まったく関係ありません!どんなに清潔にしていても、皮膚バリアが崩れれば起こります。むしろ過度な消毒やシャンプーのしすぎで皮膚の常在菌バランスが崩れることもあるくらいです。
Q: 治ったら皮膚が黒くなってしまいました。大丈夫ですか?
A: これは炎症後色素沈着といって、皮膚が炎症への反応としてメラニン色素を増やした状態です。見た目は気になりますが、炎症が治まれば徐々に薄くなることがほとんど。ただし黒くなること自体が繰り返す膿皮症のサインでもあるので、背景にアレルギーや内分泌疾患がないか確認することをお勧めします。
Q: 治療を始めたらかえってフケが増えたみたいですが?
A: 治癒の過程で、細菌や戦っていた免疫細胞群を排泄し、新しい皮膚と交代するためにフケが増える時期があります。正常な治癒過程です。治療を続けながら様子を見てください。フケが増えても、痒みや赤み・発疹が減ってきていれば順調です。
この記事を書いたのは、アン・ベット・クリニックで皮膚科を担当している獣医師・山本真紀子です。皮膚病についてもっと詳しく知りたい方は、個人サイト「どうぶつの皮膚科診療室」もぜひご覧ください。→ noteでも発信しています
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